相続税がかかる場合

どなたかが亡くなられると、
一般的には土地、建物、預貯金、株式など何かしら財産が遺されるものです。
しかし、「相続税を支払った」という方にはそうそう出会いません。
現在の相続税の課税割合は約4%、すなわち、100人の方が亡くなられても
そのうち相続税を納める必要があったのは4人(件)だけということになります。
他の96%の方々は、相続税の控除や特例規定で相続税がかからなかったのです。
それではどのような場合に相続税がかからないのかというと、
これは大きく二つに分けて考える必要があります。
一つ目は、遺産の額が基礎控除の額より少ない場合です。
相続があった場合に、遺産の額が『3千万円+600万円×法定相続人の数』で
計算した基礎控除の額より少ない場合は相続税がかからず、
また税務署への申告も必要ありません。
仮にお父様が亡くなられて、
相続人として奥様、お子様2人がいた場合、
基礎控除額は4,800万円となります。
なお遺産の額を計算する際には、
葬式代や故人の借入金などは差し引きます。
また、生命保険がおりた場合には、
上記の基礎控除とは別枠で、
『500万円×法定相続人の数』までは
遺産の額に加える必要はありません。
二つ目は、遺産の額が基礎控除の額よりも大きいのだけれど、
「小規模宅地の評価減」やその他の税法上の特例を使うことにより、
相続税がかからない場合です。
この場合、相続税がかからなかったとしても
税務署への相続税の申告は必要になります。
財産がいくらあって、どの特例を使うことによって
相続税が0円になります、
という旨の申告をして初めて特例が適用されるのです。
これらのほかにも、
養子がある場合、
生前贈与がある場合、
誰がどの財産を相続するか、
遺産の金額自体はどのように評価するか、
など細かい専門的な項目をすべて考慮に入れて計算する必要があります。
相続税がかからないことを確認して安心するためだけでも、
一度税理士に相談されることをお勧めします。

相続発生後の法的手続き

死亡届の提出(死亡後7日以内)
相続の放棄または限定承認(3ヶ月以内)
故人が遺した財産とともに借入金などの債務も相続人が引き継ぐことになります。(単純承認)
しかし、借入金が遺産の額よりも多いときなどは「相続の放棄」をすることにより、
故人の財産および債務につき一切を引き継がないことができます。
相続放棄をするためには、
「相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内に
家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要があります。
家裁への費用は印紙800円と、連絡用の郵便切手が400円程度です。
注意しないといけないのは、
口頭で言っただけでは法的に相続放棄したことにはなりません。
そのまま3ヶ月が経過すると、
「単純承認」といって故人の財産及び債務のすべてを引き継ぐことになります。
しかし、亡くなられて3ヶ月以内に
故人の財産と債務をすべて把握することが難しい場合もあります。
親の遺産に借金があるのは確かなのだが、
財産でまかなえるかどうかすぐには分からない場合もあります。
その場合、「限定承認」という手続をすると、
残された遺産のうち正の財産の金額を限度として負の財産(債務)
を引き継ぐことができます。
そうすれば、もし債務の方が多かったとしても、
遺された財産をすべて債務に充てればそれ以上は引き継ぐ必要がないのです。
「限定承認」も放棄と同様に、
相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
所得税・消費税の準確定申告書(4ヶ月以内)
不動産賃貸業や事業などを個人で行っていた場合や、
亡くなった年に不動産の譲渡があった場合などは、
亡くなられた年の1月1日から亡くなった日までの分の所得につき
確定申告をする必要があります。
消費税の納税義務者であれば消費税についても同様です。
この場合の確定申告を「準確定申告」といい、
死亡した方の相続人が相続開始があったことを知った日から
4ヶ月以内に税務署に提出しなければなりません。
この準確定申告書は、相続人全員の連名で提出し、
相続人全員が納税義務者となります。
相続税の申告・納付(10ヶ月以内)
相続税の計算をした結果、相続税がかかる場合、
および相続税はかからないが税法上の特例を利用する必要がある場合は、
被相続人が死亡したことを知った日の翌日から
10か月以内に相続税の申告を行う必要があります。
相続税がかかる場合は、同じ期限までに税金を納めます。
遺留分の減殺請求(1年以内)
遺留分は、一定の相続人に最低でもこれだけは相続出来るという一定の割合です。
ただし被相続人の兄弟姉妹はたとえ相続人であっても遺留分は認められません。
遺留分の割合
通常の場合  → 相続財産の1/2
直系尊属(父母等)のみが相続人の場合  → 相続財産の1/3
兄弟姉妹のみが相続人の場合  → 遺留分はない
これらの遺留分割合に相続人各々の法定相続割合を乗じたものが、
各相続人の遺留分割合になります。
もし遺言や生前贈与などにより、
自分の遺留分が侵害された(遺留分割合よりも少ない遺産しかもらえない)場合には、
遺留分の減殺請求を行うことで、
遺留分までの財産を取り戻すことが出来ます。
具体的には、遺留分を侵害された相手方に配達証明付き内容証明郵便などで
その意思表示をすることになりますが、
1年以内に行わないときは、
時効によって権利が消滅してしまいます。
遺言書がある場合
もし公正証書遺言以外の遺言書があった場合には、
すみやかに裁判所で検認の手続を受ける必要があります。
遺産分割について
分割協議に当っては、
遺産の相続税評価額を算出し財産一覧を作成します。
この財産一覧に基づいて、
相続人間で協議を行っていただくことになります。
分割のやり方次第では、相続税額が大きく異なってくるため、
当事務所では、2次相続まで考慮に入れて税額をシミュレーションし、
遺産分割協議書作成のお手伝いをさせて頂きます。
(税理士は遺産分割の際に、相続人間の折衝を行うことは出来ません。)
相続税の申告期限までに分割がまとまれば、
配偶者の税額軽減、
小規模宅地の評価減など税法上の優遇措置を使うことができます。

遺言書の作成

「遺言書なんてお金持ちが作るものでしょう?」
確かに相続”税”がかかる方は全体の約4%といわれています。
しかし、相続は誰にでも100%起こることです。
いざそのときになって
「遺言書を作っていてくれれば・・」
と感じる相続人の方は多いのです。
遺言書をつくる意義は2つあります。
1つは生前に築き上げた自分の財産を
自分の思う通りに分配できるという点です。
(遺留分を除く)
もう1つは、自分が死んだ後、
親族間での争いを生じさせないという点です。
この2つ目の意義は大変大きいです。
「財産なんていっても、この家と敷地と預金だけだし・・・」
相続が発生すると、亡くなられた方は
「たいした財産じゃない」
と思っていたのに”争続”になってしまうケースが
決して少なくありません。
そのようなことにならないために、
もめない対策として遺言書は非常に有効です。
さらに、遺言書があると
相続発生後の預金や不動産の名義変更の際に
かかる手間と時間と費用を大幅に省くことができます。
遺言書がない場合、
相続人の間でスムーズに分割協議が進んだとしても、
その後の名義変更の手続には、
亡くなられた方の生まれたときから亡くなるまでの
すべての戸籍謄本、相続人全員の署名・印鑑証明書、
など様々な書類が必要となってきます。
遺言書により誰が何を相続するのかが
あらかじめ定まっていれば
名義変更の手続にかかる
必要書類と手間を大幅に省略することができます。

遺言書の種類

一般的な遺言書には次の3つの種類
1.自筆証書遺言
今すぐにでも作ることが出来る、
いちばん手軽な形の遺言書です。
作るときに最低限次の3点さえていれば法的に有効な遺言書となります。
(1) 本文から署名まで、すべてを自分で書く
(2) 日付を書く
(3) 押印する
自筆証書遺言の場合は、
証人もなく一人で作る場合が多いため、
将来その有効性をめぐってトラブルになる場合があります。
そのため、上記のほかに気をつけたい細かい注意点があります。
鉛筆書き・認印でも法律上は有効だが、
無用な疑義・トラブルを避けるために、
ペン書き・実印によるのが望ましい。
財産一覧をワープロで作成し、
遺言書に添付・割印をし、
「別紙参照」というのも不可。
すべてを自分で書く必要がある。
財産は原則的にはすべて書き出し、
どの財産を誰に相続させるか、
具体的に細かく書き出す方がよい。
自筆証書遺言の場合、
遺言執行のためには裁判所の検認という手続が必要になります。
(法定相続人全員の確認が必要)
また、裁判所の検認を受けた後も、
その内容に疑義があると、
相続人間でトラブルとなり
遺言の執行が速やかに行えない場合もあります。
このようになってしまっては、
何のために遺言書を作成したのか分からなくなってしまいます。
2.公正証書遺言
自筆証書遺言は、作成が簡単な代わりに、
法的な要件をすべてそろえていないと
無効になる恐れがあるだけではなく、
紛失や隠されてしまう恐れがあります。
これに対して、公正証書遺言は、
公証役場で公証人に遺言を作ってもらうため、
法的に不備のない遺言を作ることができ、
さらに公証役場で保管してくれるため
紛失・改ざんの恐れがありません。
その代わりに、
証人を2人立てたり印鑑証明書を手配したりと
多少の手間と、公証役場での費用がかかります。
3.秘密証書遺言
秘密証書遺言は一般的にはあまり行われていないようです。
公証役場に行かなくてはいけない点と
証人を2人立てなくてはいけない点は公正証書遺言と同じです。
作成した遺言を封じ、その封書を公証人と証人の前に提出し、
公証人が一定事項を記載して証人と遺言者が署名する、
というものです。
この方法は、証人を2人たてたうえで
公証役場まで行く手間に反して、
遺言書を公証人が預ってくれるわけでもなく、
さらには相続発生後には裁判所による検認も必要となります。
一番の特徴はその名の通り
誰からも秘密に遺言書をのこすことができるという点ですが、
その点については自筆証書遺言でも同じです。

遺言書作成のお手伝い

当事務所では、
遺言書作成のお手伝いをさせていただきます。
具体的には、
所有財産の評価および相続税額の試算(相続税額が発生する場合)
を行ったうえで、遺言内容をお客様からヒアリングし、
相続税の節税・納税の観点からアドバイスさせていただきます。
数パターンの遺言案をご提案させていただき、
最終的には公証役場へのお取次ぎをいたします。
公正証書遺言の場合、証人が2人必要ですが、
お客様のご希望があれば、
所長やスタッフが証人として立ち会うこともあります。

相続診断

次のような漠然とした疑問・不安をお持ちの方に、
事前分析・シミュレーションを行い、
その現状・税務上の問題点およびその方策をご提案申し上げます。
・今相続が発生したらどれくらい相続税がかかるのだろう?
・現在の私の財産価値はどのくらいなのだろう?
・相続税を安くする方策はないだろうか?
・2次相続まで考えた相続対策が行いたいのだが?
相続診断として、
現在の所有財産の評価および相続税シミュレーションのご報告をおこない、
それらにもとづき納税・分割等の対策のお手伝いをさせていただきます。
さらに、将来の相続に備えて土地の権利関係をすっきりさせたい場合に、
不動産の交換を行ったり、譲渡、贈与のご提案・お手伝いをさせていただきます。

 

※生前相続対策は継続クライアント様以外には行っておりません。
(スポット、セカンドオピニオン対応をいたしかねます。)
生前相続対策が必要なお客様は法人契約の準月次プラン以上のご契約をお願いいたします。