信用金庫ってどんなところ?

桐生の税理士|内田経理FainanceNews

群馬県桐生市の税理士 内田です。

今回のテーマは「信用金庫」についてです。

企業が経営をしていくうえで切っても切れない関係なのが金融機関です。
その中で中小零細企業や個人事業主などがよく利用しているのが信用金庫だと思います。
今回は信用金庫の特徴や利用するメリットなどをご説明させていただきます。

■ 組 織

そもそも信用金庫は銀行とは組織としての枠組みが違います。
銀行は株式会社で営利法人であり、利益を追求しそれを株主に還元していきます。
しかし信用金庫は会員の出資による協同組織で非営利法人であり、地域の方々の繁栄を図る相互扶助を目的としています。
また、信用金庫は下記の3つのビジョン掲げております。
①地域社会繁栄への奉仕 
②中小企業の健全な発展 
③豊かな国民生活の実現 です。

■ 制 限

信用金庫はエリアの制限や取引をする人にも制限があります。
信用金庫は地域の相互扶助を目的としているので営業エリアに制限があり、支店がある市区町村やそれに隣接する地域が営業エリアになっていることが多いです。
(各信用金庫のディスクロージャーやHPに営業エリアが書いてあります。)

また、信用金庫と誰でも取引できるわけではありません。
預金をするには特段制限などはございませんが、
融資を受けるには原則会員にならなければなりません。
会員資格としては「営業エリア内で居住・勤務・事業を営んでいる人」で、法人と事業者の場合は
「従業員300人以下または資本金9億円以下」に限ります。
ちなみに具体的に会員になるということは出資金に加入することであり、
信用金庫から融資を受けている事業者は必然的に出資金に加入しております。

■ 規 模

都市銀行・地方銀行・信用金庫の預金金額量と
融資金額量をまとめさせていただきました。

 預金金額量の規模融資金額量の規模
都市銀行約158兆円~14兆円約88兆円~7兆円
地方銀行約17兆円~2,400億円約13兆円~2,000億円
信用金庫約5兆円~400億円約3兆円~240億円

信用金庫は都市銀行と比べると預金・融資ともに圧倒的な差ですが、地方銀行と比べるとそこまで
大きな差がないところもあります。
また、信用金庫内でも大きな規模の差があり、一番大きい信用金庫と一番小さい信用金庫
の間には100倍以上の差が開いています。預金量が1兆円を超えている信用金庫は「メガ信用金庫」
と呼ばれることもあり、小さい地方銀行よりも大きな規模となっております。一度自社が取引して
いる信用金庫の大きさを調べてみるのも面白いかもしれません。

★参考までに・・・群馬県桐生市の主要金融機関

 預金金額量の規模融資金額量の規模
群 馬 銀 行7兆9,704億円5兆8,181億円
足 利 銀 行6兆8,033億円5兆1,281億円
東 和 銀 行2兆1,368億円1兆5,281億円
桐 生 信 用 金 庫54兆9,112億円3,206億円
しののめ信用金庫1兆 341億円4,449億円
(令和4年3月末時点)

■ 利用するメリット

中小零細企業や個人事業主が信用金庫と取引する上での最大のメリットは銀行に比べて親身に対応
してくれるということです。銀行はどうしても利益を追求する営利法人ですので、小口の取引より
も大きい規模の事業者や取引の方に力を入れます。しかし、信用金庫は地域の繁栄を目的としています
し、限られた営業エリア内での取引しか原則できませんので、そのエリア内の顧客を地域密着
大切にする傾向があります。
一方で、信用金庫は銀行に比べて金利が高い傾向であることや、大きい金額の融資などは銀行の方が
得意という側面もございます。

以上のように、銀行と比べて中小零細企業・個人事業者でも利用しやすいのが信用金庫です。
一度取引が始まると定期訪問や地域の様々な情報、新しい融資制度など役立つ情報を教えてくれたりす
ることもありますので、融資相談などは一度近くの信用金庫に尋ねてみるのも良いと思います。
地域の信用金庫を活用してより良い経営をしてまいりましょう。