無借金経営は善か?悪か?

セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)からも最高8千万円借り入れられる。
(セーフティ共済パンフレットより)

群馬県桐生市の税理士 内田です。

無借金経営を目指すのはいいことだと思いますか?
バカな社長がすることだと思いますか?

無借金経営を批判する一番の根拠は
いざというときに銀行がお金を貸してくれない、
ということだと思います。

例えば大口得意先の倒産、大震災などにより
大きな損失を被ったとき、
銀行は、取引のない無借金の会社には貸さない、
したがって無借金会社こそ倒産しやすい、
という意見があります。

本当にそうでしょうか?
私たちの事務所では、究極的には無借金を目指すように
お客様へお話ししています。

無借金にもレベル・パターンがあると考えているからです。
ものすごく簡略化すると、無借金は次の4パターンに分類されます。
( お客様へお話しする際はもっと詳細な分類表を使います。)

安定順位現預金借金状態備考
超多い無借金無借金でも問題なし
普通普通実質無借金現預金と借入が同額
超少ない無借金借入をしてでも預金を増やすべき
超少ない多い借金過多危険企業

私たちの事務所がお客様に目指していただく無借金は
上記の表の「安定順位1」の状態です。
そして、「安定順位3」の無借金状態では、
逆に借り入れを進言します。

大口取引先が倒産しても倒産防止共済で
最高8千万円まで借り入れできますし、
火災の場合は火災保険があります。
これらに備えて借金をする必要はありません。

同じ無借金であっても、
上記の「安定順位1」と「安定順位3」では
大きな違いがあります。

私たちは、企業の現在の状況を見極めて、
借金が必要か必要でないか、
数値をもとに、その企業に合った判断を判断します。
目標数値をつかって財務体質の改善を図ります。

感覚的に 一律に 「無借金は悪」
(または「借金は悪」)
とはいえないのです。